B級グルメ八戸せんべい汁って簡単に作れるの知ってますか?
農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」

 

農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」で選ばれた青森県八戸の郷土料理。

 

せんべい汁というと皆さん、「えっ、あの南部せんべいをいれるの?」って聞かれます。

 

でも、皆さんが知っているピーナッツやゴマが入った南部せんべいではありません。

 

味の付いていないせんべい汁用のせんべいがあるのです。

 

白せんべい

 

せんべい汁を食べる習慣があるのは、八戸市を中心にした青森県南と岩手県北の一部の地

 

域です。

 

約200年くらい前(江戸時代の後期)から食べ始められたといわれています。

 

最近では、青森県内の他の地域でも少しずつ食べられているそうで、せんべい汁を食べる

 

習慣がなかった岩手県盛岡市でも、町内の子供会などでせんべい汁を作ることがある、と

 

いうことです。

 

メジャーになって全国にも知られるようになりましたね。

 

肉や野菜などを入れた鍋に、せんべいを入れるだけでできる手軽さから、ひっつみ(南部

 

弁ですいとんのこと)の代わりに作られるようです。

 

八戸地方では、南部せんべいをいろいろな食べ方で食べ尽くしてきました。「せんべい

 

汁」はもちろん、

 

2枚のせんべいで赤飯を挟んだ「赤飯サンド」、南部せんべいの天ぷらなど県民から愛さ

 

れ食べられてる南部せんべいのせんべい汁。

 

せんべいの天ぷら

手が汚れなくて一石二鳥ですね。

 

このように菓子としての「せんべい」だけでなく、ある時は主食として、あるいはおやつ

 

として、せんべいをさまざまな形で食卓に利用してきた八戸南部地方の人々。

 

馬淵川(まべちがわ)と新井田川の流域に発祥した「南部せんべい」と「八戸せんべい

 

汁」は、まさに八戸地方ならではの「南部せんべい食文化」であり、

 

そしてここでご紹介する「八戸せんべい汁」はまさに、八戸地方が誇る、新しくて古い、

 

古くて新しい「南部せんべい食文化」です。

 

寒さでかじかんだ手に食べるせんべい汁は青森八戸のソウルフードとして人気が出てきて

 

います。

 

先日は、コープデリのお料理キットに「せんべい汁」が売っていて、調理はなんと10分く

 

らいで簡単に作れておいしく食べました。

 

そういうものを利用して食べる手もありますね。

 

鶏肉などでだしを取ったスープにごぼうやにんじん、きのこなどの旬の食材を入れ、しょ

 

うゆで煮立てたものに南部せんべいを割り入れた汁料理。

 

季節季節で取れる新鮮な野菜をふんだんに入れ、その家庭でそれぞれの作り方があり、

 

代々姑から嫁へと受け継がれています。

 

現在では料理用の南部せんべいをすき焼きなどの鍋料理に用いたり、幅広い食べ方で愛さ

 

れ続けているようです。

 

赤ちゃんやお年寄り向けにせんべいを柔らかくしたい人は結構煮込んで、ちょっと硬い食

 

感を楽しみたい方は食べる直前に入れて食べたりと

 

赤ちゃんからお年寄りまで愛される郷土料理です。

 

せんべいのモチモチとした食感がたまらない、うまみがせんべいに凝縮した八戸のおふく

 

ろの味です。

 

東京でも食べれる本場の味

 

北の台所 おんじき 

 

JR 八王子駅 北口 徒歩3分

 

東京都八王子市三崎町4-7 田倉ビル1F

 

 

『いきなり黄金伝説/グルメ雑誌記者が選ぶ、全国ご当地鍋』(テレビ朝日)にて、

おんじきの「シャモロックせんべい汁」が、ベスト1に輝きました!!

 

一度、味わってみてください。

 

せんべい汁レシピ

 

1. にんじんとごぼうを笹がきにする。しらたきを約3cm幅に切る。

舞茸は、じくを落として手でさく。地鶏もも肉を約1.5cm幅に切る。(ほかの肉でも作れますが、鶏肉が一番おいしく作れると思います。)

 

2. にんじんとごぼう、しらたき、舞茸と地鶏もも肉を、煮干し出汁に入れ、煮立ってか

ら調理酒を入れる。(キノコ類は何でもいいですが、ごぼうとにんじんは必須です)

 

3. 煮立った後、しょうゆ(色が付く程度)と塩を入れ、手でちぎったキャベツを入れ中火で煮る。

このキャベツを入れるというのが結構、おいしさを増すコツでやさしい味になります。

(この後、せんべいが入るのでそれを考えて味付けしてください。ちょっと濃いめでもいいですが、煮込んだりするとしょっぱくなります))

 

4. 沸騰したら火をとめる。

斜め切りにした長ねぎを入れ弱火で煮て、長ねぎに火が通ったら完成。

せんべいの硬さの好みによってちょっと煮るか、食べる直前に入れるかお好みで選んでください。

 

 

使用するせんべいは、一般的には小麦粉・塩を原料とした「おつゆせんべい」などと呼ば

 

れるもの。

 

これは、汁もの専用に開発されたもので、煮込んでもとけにくく食べると独特の食感があ

 

るように焼き上げたものです。

 

稀に天かすのようにドロドロに溶けてしまったせんべいが入っている「ニセせんべい汁」

 

もありますが、それは本場のせんべい汁を知らない人が作った偽物ですから要注意です。

 

 

せんべい汁のおいしさの特徴

1. ダシの旨みがたっぷりとしみ込んでいる。

おつゆせんべい自体は、もともとクセのない味。

せんべい汁は、肉や魚、野菜など具の味がしみたところにおつゆせんべいを入れて煮込む

 

から、せんべいに旨みがたっぷりしみ込むという訳です。

 

2. シコシコした食感がたまらない。

食べ頃に煮込んだおつゆせんべいは、独特のシコシコした食感になります。

ちょうどよく煮込まないと硬すぎたり軟らかすぎたり、本来の食感が楽しめないことにな

 

ります。

3. 栄養豊富でヘルシーな健康食

八戸せんべい汁は、肉や魚、野菜やきのこ、豆腐や糸こんにゃくなど、具をたくさん入れ

 

るのが一般的な作り方。

また、おつゆせんべいは、小麦粉、塩、重曹だけで作られる自然食だから、栄養豊富でヘ

 

ルシーな健康食として喜ばれています。

 

4. 南部せんべい食文化が詰まった郷土料理

昔から今に至るまで、八戸地方で愛食され続けてきた南部せんべい。

お菓子としてだけでなく、せんべい汁をはじめ、白せんべいやてんぽせんべい、赤飯サン

 

ドやせんべいの天ぷらまで、南部せんべいを食べ尽くしてきた食文化から生まれた郷土料

 

理がせんべい汁なのです。

 

5. 作ってくれた人の愛情がしみて、身も心も温まる。

家庭料理として食べ継がれてきたせんべい汁。

おかあさんやおばあちゃんの家族を思う気持ちが、その根底にあります。

お店の人も、そんな郷土料理の精神を大切にして作ってくれるし、せんべいや具の材料

 

だって、愛情がいっぱい。

だから、身も心も温まる料理に仕上がるのですね。

 

せんべいのうんちく

 

せんべい汁を知るうえで欠かせないせんべいの知識です。

 

白せんべい[shiro-senbei]

 

その名の通り、白いせんべい。

 

小麦粉・塩・重曹だけを使用しており、ごまやピーナッツなどのトッピングや味付けを一

 

切していない、まさに素朴な味わいのせんべい。

 

飽きずに食べられるので、地元では最も人気がある定番商品。

 

でも、東京の人たちはこの何も味のしない白せんべいのおいしさはちょっとわからないみ

 

たいです。

 

生れた時から、離乳食として食べてきた人には他には代えられないおいしいせんべいとい

 

う事になります。

 

おつゆせんべい[otsuyu-senbei]

 

小麦粉・塩・重曹だけを使用しているのは白せんべいと同様。

 

煮込むことを前提にしているので、煮込んでも煮崩れしない製法を採用している。

 

おつゆ用のせんべいは、お菓子として食べるのにはあまり適さない。

「おつゆ用せんべい」「かやき」といった名前で販売されているが、近年、スープや具と

 

セットされた商品もあり、初心者でも手軽に楽しめるようになっている。

 

みみ[mimi]

 

 

焼き型からはみ出した、せんべいの縁の部分。

 

やわらかいのから硬いのまで、さまざまある(南部せんべいの種類だけある)。

 

普通は捨てられる部分だが、食べると美味しいため、地元ではおやつやおつまみとして好

 

んで食べられる。

「みみ」だけを買いたくても、本来は二次的な産物なので入手困難。

 

せんべい店で直接購入するのが一般的だが、初めから「みみ」を商品とする製造法があ

 

り、八戸市内のスーパー等でも入手できる。

 

おつゆせんべいには、「みみ付き」と「みみなし」がありますが、煮込んだときの食感な

 

どで違いがあります。

 

みみ付きは、いわゆるせんべいの本体部分とは厚さが違うため、本体部分が煮えても、ま

 

だ硬さが残ります。

 

地元では、この状態を「シナい」(硬い)という言葉で表現します。

 

一方のみみなしは均一に煮えるので、比較的簡単に調理できます。

 

南部せんべい[nanbu-senbei]

 

南部せんべいと一言でいっても、焼き方によって実にさまざまな食感・味があります。

 

同じゴマせんべいでも、製造しているせんべい屋さんの数だけの種類があるといっても、

 

過言ではないでしょう。

うす焼き、厚焼き、堅焼きといった焼き方の違うもの、また、ゴマやピーナッツをトッピ

 

ングしたものの他、イカ、チョコレート、かぼちゃなどアレンジ商品も多数。

 

農繁期の野外での食事の際に、料理やご飯の取皿としてせんべいを利用したり、飲酒の際

 

にせんべいに料理や南蛮味噌、サバの缶詰などをのせて、酒のつまみとして食べられるこ

 

ともあります。

 

B-1グランプリで有名に

 

今や、まちおこしイベントとして全国に知られるようになった、ご当地グルメでまちおこ

 

しの祭典B-1グランプリ。

 

2012年10月に福岡県北九州市で開催された第7回B-1グランプリin北九州には、全国から

 

「食によるまちおこしに取り組む団体」63団体が出展し、来場者は2日間で61万人を記録

 

しました。

 

実はこのB-1グランプリ、何と、青森県八戸市にて誕生したのです。

 

八戸市民等によるボランティア活動でまちおこしに取り組む「八戸せんべい汁研究所®」

 

(通称「汁゛研」じるけん)が、全国に先駆けてB-1グランプリを発案・企画・主催し、

 

2006年2月に八戸市内の八食センター(八戸で有名な市場)で開催しました。

 

汁゛研は、地元の食でまちおこしをしつつ、地域PRも行う団体を全国から集め、来場者は

 

「ご当地グルメ」の食べ比べを楽しみながら、使用した割り箸を用いて好きな団体に投票

 

をし、その箸の重さでグランプリを決めるという、B-1グランプリのルールを作りました。

 

同時に第2回大会以降は全国を巡回して開催することや、そのための食によるまちおこし団

 

体の全国ネットワーク・愛Bリーグ(ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会)も組織し

 

たのです。

 

2006年(平成18年)2月18日には、八戸せんべい汁研究所プロデュースの下、八戸せんべ

 

い汁を含め全国のB級グルメを集めた「B-1グランプリ」という食の祭典が八戸市で初開催

 

されました。

 

同年10月24日より11月20日までの期間限定で東北7県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・

 

福島・新潟)のファミリーマート約530店舗で八戸せんべい汁が発売されました。

 

B-1グランプリは競争という色彩を薄めた祭典としての位置づけとなりました。

 

2007年(平成19年)12月18日には、農林水産省主催農山漁村の郷土料理百選(郷土料理

 

100選)に青森県の郷土料理としていちご煮と共に選ばれました。

2012年(平成24年)の「B-1グランプリ」第7回大会で八戸せんべい汁研究所がゴールドグ

 

ランプリ受賞。

 

 

せんべい汁セット

楽天で購入

 

 

 

八戸に行って本場せんべい汁を食べるのもよし、青森せんべい汁を食べさせてくれるお店

 

に行くのもよし。 通販で買っておうちで作ってみるのもよしです。

 

寒くなってきました。

 

おいしいせんべい汁で温まりませんか?

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