今、人生は100年と言われています。
年金ももらえるのが、高齢になってからで、老人にはまだまだ働いてもらおうと政
府の考えです。
私たち女性は、更年期になっても働き続けないといけないわけで、身体がつらければ、働
けない。
しかし、働かないと生活できないということになると困ってしまいます。
だから、そうならないために今から更年期とうまく付き合っていく方法を考えていきま
しょう。
更年期障害とは
女性は年齢とともに4つのライフステージ思春期・性成熟期・更年期・ 高齢期があると言
われています。
個人差はありますが50歳前後の年齢で閉経を迎え、この閉経時期をはさんだ前後10年間
(一般的に45~55歳頃)を”更年期”といいます。
更年期は誰にでも訪れるのですが、更年期障害を感じるかは個人差があります。
年齢を重ねるごとに卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が
減少することでホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調があらわれます。
ただ、更年期の症状はエストロゲンの減少だけでなく、心理的な要因(仕事や家庭環境な
ど)も複雑に関与するため、個人差が大きく、全身のあらゆる箇所にあらわれ、
不調をほとんど感じないで過ごす人もいれば、日常生活に支障が出るような重い症状に悩
む人もいます。
また、どんな症状を感じるか、その数や種類も人によって異なりますし、同じ症状でも日
によってつらさが違うこともあります。
更年期における様々な不快な症状は、女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」と密接な関
係があります。
エストロゲンは8・9歳頃から卵巣で分泌され、その分泌量は30代半ばにピークを迎えま
す。
これ以降、卵巣機能が低下するに従って、エストロゲン量は徐々に減っていき、40代半ば
からは急激に減少します。
この突然の変化に体がついていけず起こるのが「更年期障害」と呼ばれる不調が表われる
のです。
エストロゲンの分泌をコントロールするのは脳の視床下部にある下垂体と呼ばれる部分で
すが、45歳を過ぎるころから、いくら下垂体が「分泌」の指令を出しても、 卵巣機能の衰
えによってエストロゲンは出にくくなります。
これを受けて、下垂体はさらに「分泌」を指令しますが、やはり分泌されません。
このために脳が混乱をきたし、 視床下部は、からだの様々な機能を調整する自律神経もコ
ントロールしているため、この混乱が自律神経にも伝わり、のぼせや冷えなど様々な不調
が起きてしまうのです。
更年期を上手にすごすために
更年期障害は、加齢やエストロゲンの欠乏といった身体的ストレスに加えて、
性格などから由来する心理的因子、仕事や家族関係(家庭環境)などに起因する社会的因子
が重なって関与します。
大きな原因は加齢に伴う身体的な変化であるといわれています。
ストレスを感じやすい環境にいると、心身が不安定になり、症状も悪化します。
更年期は、子供の独立や親の介護、職場での立場や人間関係の変化など、人生が変わる時
期と重なるため、ストレスとうまく付き合うことが必要かつ大事なのです。
更年期の期間は、ちょうど折り返し地点。
「更年期だから」と必要以上に恐れたり、不安になるのではなく、家族や友人に話すこと
で理解を得たり、積極的に趣味やスポーツに取り組むことで悩みやストレスを解消するこ
とで、上手に乗り越えていきましょう。
自分自身でつらいけれど、更年期かどうかわからない場合、また日常生活が続けられない
ほど症状が続く場合は、医療機関を受診して、専門家の判断を待ちましょう。
更年期と思っていても、他の病気が隠れている場合もあります。
また、市販で売られている医薬品でも今はいいものがたくさんあるので症状を緩和した
り、更年期を上手に乗り越えるためのひとつの選択肢です。
更年期障害は一種のストレス性疾患とも考えられています。
一人ひとりその背景が異なるので、婦人科を受診する際は自分におきているからだの変化
や心配事をメモに書いて、持参し医師に相談してみましょう。
代表的な更年期の症状
日本人の更年期女性にみられる不定愁訴として肩こりや疲れやすさが多く報告されていま
す。
更年期症状特有ののぼせ、発汗などといった症状も25%以上の女性にみられています。
更年期女性は、何らかの形で症状が出ています。
この症状が日常生活に支障が出る人は更年期障害ですので、婦人科に受診することをおす
すめ。
気になる症状があれば、婦人科を含めた医療機関への受診をし、かかりつけ婦人医・薬剤
師をつくり、日常のふとした不調も気軽に相談するのもいいですね。
主な症状【体の症状】だるい たちくらみ 疲れやすい 耳鳴り
のぼせ 動悸 ほてり 手足のしびれ 多汗 関節の痛み 手足の冷え
からだのかゆみ 腰痛 肌や目、口の乾燥 肩こり 頭痛 尿トラブル
めまい
【心の症状】イライラ 不眠 不安感
女性ホルモン減少で脳が混乱 自律神経も乱れやすく
更年期を迎えると卵巣機能は低下する為、若い時のようにエストロゲンを分泌できなくな
ります。
女性ホルモンは、脳の視床下部からの司令により卵巣から分泌されます。
視床下部はさまざまなホルモンの分泌をコントロールするとともに、体温調節や呼吸、消
化機能の調節、精神活動などを司る自律神経のコントロールセンター。
ところが、卵巣の機能が衰えると、脳がいくら「ホルモンを出せ」と指令を出しても分泌
できなくて、脳がパニックを起こして通常の何倍もの指令を出すために、異常な発汗、イ
ライラ、めまいなどの症状があらわれるのです。
一つとは限らず、色々重なって症状が現れることもあります。
それが更年期なのか、病気なのか判断が難しいです。
病院とうまく付き合って、更年期を上手に乗り切ることが大事になってきます。
更年期を迎えると、女性ホルモンの減少を食い止めることはできませんが、自分に合った
対策を上手に行うことで、その症状をやわらげることは可能です。
更年期付近から注意したい病気
生活習慣病のリスクが上昇
糖尿病や動脈硬化に注意
女性ホルモンの働きには、血管をしなやかに保ち、動脈硬化の予防や内臓脂肪の分解をし
やすくするなどがあり、男性と異なり女性は生活習慣病の発症が抑えられていました。
しかし閉経以降は女性ホルモンの保護がなくなり、「脂質異常症」「動脈硬化」「糖尿
病」など生活習慣病へのリスクも高まっていきます。
動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞など、重大な病気を引き起こす危険因子であるため、特に
閉経後の女性はこれまで以上に注意が必要です。
【 脂質異常症(高コレステロール血症) 】
私はこれです。若いころから痩せているにもかかわらず、すでに40代から数値が高く、食
事制限しても変わらず、今では数値がとても高くなってしまっていますが、まだ様子見で
いいと先生に言われています。
閉経後の女性の血液中では、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪
が増加します。そしてHDL(善玉)コレステロールは減少します。
このような変化はいずれも動脈硬化を促進し、心臓や血管に悪影響を与えます。
骨粗しょう症に注意
更年期を迎えると、エストロゲンの急減によって骨代謝のバランスが崩れ、閉経後、1年に
2%ずつ骨量は減り、10年後には20%も減少するといわれています。
若い時に蓄えた骨の量が減少して骨がもろくなり、骨折リスクが高まります。
閉経後にはなるべく早く骨密度測定を受けましょう。
私はこれも40代から整形外科に通って、カルシウムの薬を定期的に飲んでいます。
そして、半年に1回、骨密度を計っています。
背中がまがる、若い時より2cm以上身長が縮むなどの症状が出てきたら要注意です。
私も身長、ただでさえ低いのに、縮んできています。
医療機関を受診するようにしましょう。
若年性更年期について
もしかして更年期障害?まだ30代なのに、もう更年期障害が始まったの?という方。
最近、30代から40代半ばの女性でも、生理不順になったり、月経が無くなって、女性ホル
モンの分泌が乱れている人が急増しています。
これは、ストレスや無理なダイエット、食生活を含めた不規則な生活などにより、
早いうちから徐々に卵巣機能が低下してしまったと考えられています。
このような状態になると、ほてりや手足の冷え、めまい、落ち込みなど更年期障害に似た
症状になります。
このプレ更年期に起こる様々な不調が「若年性更年期障害」と呼ばれています。
プレ更年期の不調に悩まされた人は、引き続き更年期を迎えた時の症状もひどく現れるこ
とがあります。
だからこそ、日々のストレス解消や規則正しい生活を心がけ、プレ更年期からしっかりと
対策を取り、乗り切ることが大切です。
食生活でケア
更年期には、女性ホルモンの急激な減少の影響により、さまざまな不快症状が現れます。
エネルギー、脂質、骨の代謝も変化し、栄養が過剰あるいは欠乏状態になりやすく、心身の健康バランスをくずしやすくなります。
更年期の女性に適した食事や食生活とは、やはり「バランスのよい食事」が一番肝心、という答えにたどりつきます。
バランスよく食べることが重要です。
正しい食事バランス 主食:副菜:主菜=3:2:1
オススメしたいのがご飯と味噌汁に、魚料理、おひたし、煮物などを組み合わせた「和
食」。
1日1、2回は意識して魚料理を取り入れ、緑黄色野菜を使った副菜を手の大の小鉢で昼夜
1皿ずつ加えるとバランスもよくなります。
デザートには皮ごと食べられるブルーベリーやリンゴなどをはじめ、栄養価の高い旬のフ
ルーツを1日200gを目安に取り入れてみてください。
大豆食品を多く取り入れましょう。
大豆イソフラボンは大豆の胚芽部分に多く含まれる抗酸化物質の一種です。
女性ホルモンと似た働きをする成分として注目されています。
大豆は食物繊維やオリゴ糖も多く含み、加齢とともに乱れがちな腸内環境を整えてくれる
上、骨を強くするカルシウムも豊富です。
タンパク質・ミネラル・食物繊維・ビタミンなども含まれていて、女性に優しい食品で
す。
運動でケア 今日では適切な運動習慣が更年期にも有効であることが明らかになってきました。
国内では、更年期障害を有する女性において自転車エルゴメーターによる運動、ウォーキングや水中歩行で「更年期症状の重症度を表す指数が、運動前に比べて明らかに下がった」という結果が報告されています。
海外でも同じくウォーキングを中心とした有酸素運動やヨガでも効果があったという結果が出ています。運動の種目は楽しく無理なく継続できるものが望ましいので、若い頃から親しんでいるものがあれば、それを続けるのもよいでしょう。
具体的なプログラムとしては主運動としての有酸素運動に加えてストレッチングとウエイ
トトレーニングを行うのが理想的です。
有酸素運動は、酸素を十分に取り入れつつ全身の筋肉をリズミカルに収縮でき、ウォーキ
ング、ジョギング、サイクリング、水泳、ダンスなどがこれにあたります。
これにより
体力の維持増進
酸素利用率の増加
脂肪代謝の促進
などの生活習慣病の予防効果もあります。
1週間に3~4回が望ましいですが、日頃運動していない人はあまり無理をせず、体調に合
わせて、徐々に回数を上げていけば大丈夫です。
大切なのは続けること。
運動時間は、できれば1日あたり30~60分程度行い、1週間の合計が140~160分になるよ
うにするとよいでしょう。
注意としては、運動する時間帯は食事をしてから2時間後くらいがよく、早朝空腹時、食後
すぐ、入浴後、飲酒後などは行わないように。
医療機関でケア
世界の更年期医療のスタンダードとして先進国を中心に多くの女性に使用されているHRTですが、日本では正しい情報が十分に広まっていなく、普及は遅れています。HRTの使用方法
HRTは、身体内に不足していた卵胞ホルモン(エストロゲン)を貼り薬、飲み薬や塗り薬によって補充する療法です。
HRTは閉経後どのくらい経つか、子宮があるか、出血を望むかなどによって、使う製剤と使用パターンが違ってきます。
どんなやり方を選ぶのか、自分の体の状態を知るとともに「自分はどうしたいか」を考え、医師と相談して決めましょう。
乳がん、子宮体がん、血栓症にかかってる人、過去にかかっていた人は原則としてHRTを
受けられません。
ヘビースモーカーの人も血栓ができやすくなるため受けることはできません。
また子宮筋腫、糖尿病、高血圧、肝機能・腎機能障害、胆のう疾患がある場合には、投与
方法や投与量を工夫しながら行います。
それ以外の人は、これまでにかかった病気や体質に関係なく、HRTを受けることができま
す。
漢方薬
漢方薬は、その患者の体質、体型や自覚症状などを総合的に判断し、症状ごとにどの漢
方薬を使うかが決まります。
その判断のものさしとなるのが「証」と呼ばれるものです。
「証」とは、漢方用語。証候ともいう。
独立した診断概念で、疾病のある段階における病人の自覚・他覚症状などをもとに、
病因、病位 (病の位置)、,病性 (病の性情) ,病勢 (病の勢いや方向) などの病理を概括したもの。
更年期の症状には、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうよう
さん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)がよく処方されます。
風邪の症状に用いられる漢方薬などの例外もありますが、漢方薬は西洋薬と比較して、
一般的に効き始めるまでに時間がかかるといわれてます。
漢方薬は、西洋薬のようにある症状をピンポイントに狙って治療するのではなく、体質を
改善し、体全体としての治癒力を高めるように作用することがあげられます。
漢方薬は副作用が少なく、安全性が高いと思われている漢方薬ですが、「証」に合わない
薬の服用によって効かなかったり、副作用が起きることがあります。
「小柴胡湯(しょうさいことう)による間質性肺炎」の重篤な副作用の症状も過去に報告
されています。
漢方薬を服用して、体調がおかしいと感じたときは、服用をやめて、すぐに医師や薬剤師
に相談しましょう。
抗不安剤・抗うつ薬
抑うつ気分は多くの人が更年期に経験する症状ですが、気分の落ち込み、不安感や焦燥感
が強い場合は、抗不安薬・抗うつ薬などの向精神薬も有効です。
服用には医師の診断が必要ですので、症状がひどい場合は婦人科の受診をし医師に相談し
ましょう。
心理療法・カウンセリング
背景にある心理・社会的要因への対応として行います。
各種薬物療法と併用できることもあり、一定の効果も期待できます。
サプリメント・市販の医薬品でケア
市販の医薬品 薬局やドラッグストアなどで市販されている医薬品を用いることも、一つ
の方法です。
用法・用量を守って服用することで特定の症状改善効果が期待できますが、飲み合わせに
注意が必要なものもありますので、薬剤師によく相談した上で購入してください。
サプリメント
手軽にいろいろなものが手に入ります。
女性ホルモンの働きを助ける成分には種類があるため、自分に合ったサプリメントを選び
ましょう。
更年期症状の緩和が期待されているサプリメントを紹介します。
•大豆/イソフラボン
大豆は食品として、サプリメントとして更年期の症状緩和に用いられてます。
高濃度のフィトエストロゲン(ダイゼイン、ゲニステイン)が含まれており、エストロゲン作用を示すものと考えられていますが、更年期症状については、わずかに改善にとどまるものの、心血管系には良い影響を与え、骨代謝も改善が期待できるそう。現在のところ更年期症状に関する最終的な結論は出ていません。
•大豆イソフラボン代謝物/エクオール
女性ホルモンに似た働きをする成分“エクオール”を摂取するという方法が注目されています。女性ホルモン様作用が認められた「エクオール」
エクオールは大豆イソフラボンに含まれるダイゼインの代謝物。
これが女性ホルモンに似た働きをするといわれています。
エクオールを1日10㎎摂取することで、エクオールは血管にも骨にも有効で、ほてりや肩こり等の更年期症状の改善、骨粗しょう症の予防、女性のメタボ改善、肌の老化に対する効果など、様々な効果があることが研究発表で報告されています。
エクオールについては動物および人での安全性データが揃っており、安心して摂取できるものです。このような成分を上手に活用していくとよいでしょう。
•レッドクローバー
レッドクローバーはヨーロッパおよびアジア原産の豆科の植物で、大豆と同様に、ゲニステインやダイゼインなどイソフラボンを含有しています。大豆と同様に更年期の症状緩和や骨量低下予防目的で使用されており、安全性も高いとされています。しかしその効果は明らかではなく定まっていません。
•ブラックコホシュ
ブラックコホシュは北米に分布するキンポウゲ科の植物です。「女性ホルモンのバランスを整える」「更年期のほてりを軽減する」などといわれ、欧米では更年期症状緩和のサプリメントとして人気ですが、有効性についての報告は一貫していません。
•ザクロ
ザクロは「天然の女性ホルモン(エストロゲン)が含まれ更年期症状を緩和できる」と一時期ブームになりましたが、国民生活センターの調査では女性ホルモン様作用は認められませんでした。現在のところ有効性や安全性に関して信頼できるデータはありません。
•ローヤルゼリー
ローヤルゼリーは、「女性ホルモンの働きを助け、糖代謝を改善する」「体質を改善し若返る」などと謳われ日本では人気があります。
一方で各種アレルギー反応が起こる可能性があり、注意が必要です。
•その他のハーブ・サプリメント
上記以外にも更年期症状に対して用いられるハーブ・サプリメントは種々あり、イチョウ葉、ホップ、当帰、月見草、朝鮮人参、バレリア、甘草、メハジキ、レモンバーム、自然薯などがありますが、有効性を示すデータはきわめて少ないのが現状です。
香りでケア
アロマセラピーは、エッセンシャルオイル(精油)を用いて、その香りを楽しんだり、リ
ラックスしたり、さらに病気の治療や症状の緩和などのための補完・代替医療の1つで
す。
更年期障害は、エストロゲンの分泌低下によって、女性ホルモンのバランスが崩れること
と言われているため、アロマセラピーでは、更年期障害に対して、エストロゲン様作用を
持つエッセンシャルオイルを用いると良いようです。
クラリセージには、酢酸リナリル、リナロール、スクラレオールなどが含まれており、こ
れらの成分には女性ホルモン様作用があります。
下の図のような、性ホルモン様作用をもっているエッセンシャルオイルは上手に利用する
ことで更年期障害に伴うさまざまな不定愁訴に対して効果を発揮するといわれています。
更年期障害に対するアロマセラピーの方法 詳しくはこちら
エストロゲンを補う方法とは?
食べ物から摂取する
食事には大豆由来食品(豆腐、納豆、みそ、おから、油揚げ等)を取り入れましょう。
これらの食品には大豆イソフラボンが含まれています。
大豆イソフラボンとエストロゲンは分子構造が似ているので、大豆イソフラボンはエスト
ロゲンの働きを助け、足りないところを補助します。
一方、自然のエストロゲンを食品で補うのは基本的に困難なので、基本となるのはバラン
スのとれた食生活です。
良質な睡眠をしっかりとる
睡眠時間は最低でも6時間は確保したいものです。
女性ホルモンの分泌は微妙なバランスで保たれているので、わずかのストレスでも分泌が
乱れることがあります。
更年期においても睡眠不足は避蹴るようにしてください。
特にホルモン分泌が活性化する夜10時~深夜2時に深い睡眠をとると、女性ホルモンの分
泌が活発になります。
体を温める
湯船に漬かって体を温めるとストレスが軽減され、女性ホルモンの分泌が整います。
さらに、ストレスがなくなり自律神経がスムーズに働くと、臓器血流がよくなってエスト
ロゲンの分泌も活発になります。
エストロゲンを補う方法
エストロゲンを補う治療法と薬には、先にも述べたホルモン補充療法(HRT)がありま
す。
更年期症状、更年期障害の治療方法で、閉経前後に不足してきたエストロゲンを補充する
治療です。
現在、日本では、飲み薬、塗り薬、貼り薬が保険適用で処方されています。
ホルモン補充療法を施すことで、ほてりや多汗などのホットフラッシュ、睡眠障害、関節
痛等の緩和、抑うつ状態の改善、骨密度増加といった更年期障害の症状を軽減する効果が
あります。
ホルモン補充療法を始めて1~2ヶ月ほどすると、副作用が現れることがあります。
・胸の張り感 ・おなかの張り感 ・おりものの増加 ・胃の不調など
また、ホルモン補充療法では、子宮体がんの発症を抑えるためにプロゲステロンという女
性ホルモンを併用して用います。
すると、月経のように、性器からの出血を周期的に起こします。
しかし、5年以上連続してエストロゲン・プロゲステロンを含むホルモン補充療法を行う
と乳がんを発症する確率が高まるといわれています。
副作用やがんの可能性を医師に相談しながら、治療を受けるようにしましょう。
・経口薬:プレマリン、ジュリナなど
・塗布薬:ディビゲルなど
・貼付薬:エストラーナ、フェミエストなど
エストロゲンまとめ
エストロゲンは、丸みのある体形や肌のツヤなど女性らしさを引き出す大切なホルモンで
す。
また、生きていくうえで不可欠な生命維持ホルモンでもあります。
更年期にはエストロゲンの不足やホルモンバランスの乱れからさまざまな症状が生じま
す。
不足ぎみのエストロゲンを補うには、食事や睡眠など生活習慣の改善が大事になります。
規則正しい生活や質のいい睡眠、バランスの取れた食事や毎日の運動など、気を付けられ
るものばかりです。
毎日の生活の中で、ちょっとの心がけで気持ちいい生活ができるなら、心がけて
それでも、心や体がヘルプと言ったら、専門家のアドバイスを受けるのも一つの
手です。
そのうえで、ホルモン補充療法などを医師に相談するようにしてください。
これで、更年期というものがわかって、自分に合う治療法を見つけて
生き生きとした毎日を送りたいですね。